イタリアが暗号資産プラットフォームに対して厳格なMiCAコンプライアンス期限を設定

イタリアの市場規制当局が暗号資産市場規制（MiCA）の厳格な期限を設定、バーチャル資産サービスプロバイダーに12月30日までに認可を取得するか撤退するよう要求、投資家にサービスプロバイダーのコンプライアンス計画を確認するよう促す

記事執筆者：Christina Comben

出典：Cointelegraph

記事翻訳：Chang

イタリア証券規制当局は、EUの暗号資産市場規制（MiCA）の国内適用に明確なタイムラインを設定し、未認可の暗号プラットフォームは期限までに認可を申請するか市場から撤退するよう警告しました。

この措置は、現在イタリアの制度下で運営されているバーチャル資産サービスプロバイダー（VASP）およびそれを利用する個人投資家に直接影響します。

2025年12月4日に発表されたプレスリリースで、イタリア国家証券市場委員会（CONSOB）は、2025年12月30日が代理店および仲介機関（OAM）に登録されたVASPが現行の国内枠組みで運営できる最終日であることを市場に通知しました。

この日以降は、暗号資産市場規制下で認可を受けた暗号資産サービスプロバイダー（他のEU加盟国からパスポート制度を利用してイタリアに進出する企業を含む）のみが、国内で暗号資産サービスを提供できます。

CONSOBによれば、イタリアで暗号資産市場規制を施行する立法に基づき、バーチャル資産サービスプロバイダーが12月30日までに申請を提出し、イタリアまたは他のEU加盟国で暗号資産サービスプロバイダーとして認可を受けることを目指す場合、審査期間中は引き続き運営可能ですが、いかなる場合も2026年6月30日を超えることはできません。

この移行運営期間は、期限までに申請を提出した事業者のみに適用され、認可または却下後、もしくは2026年6月30日の上限に到達した時点で終了します。

未申請機関の義務

暗号資産市場規制に基づく認可を申請しないことを決定したバーチャル資産サービスプロバイダーについて、CONSOBは具体的な義務を示しました。これらの事業者は2025年12月30日までにイタリアでの活動を停止し、既存契約を終了し、顧客の指示に従って顧客の暗号資産および資金を返還しなければなりません。

また、OAMリストに登録されているバーチャル資産サービスプロバイダーは、自社ウェブサイトで十分な情報を公開し、顧客に対しても直接、暗号資産市場規制の遵守または既存関係の円滑な終了のために取る予定の措置について通知する必要があります。

この枠組みは、暗号資産市場規制を実施するためのイタリアの法令に由来し、既存のバーチャル資産サービスプロバイダーに移行措置を導入し、新しい暗号資産サービスプロバイダー認可制度への移行期間中の運営条件を定めています。この法令は、暗号資産市場規制の移行条項が認める柔軟性を活用して、CONSOB通知にある2026年6月30日を含む国内期限を設定しています。

個人投資家への警告

CONSOBのプレスリリースには、「投資家への警告」という独立したセクションがあります。

同規制当局は、現在イタリアで運営されているバーチャル資産サービスプロバイダーが2025年12月30日以降は認可を得られない可能性があると指摘し、投資家は自身が利用するサービスプロバイダーが暗号資産市場規制の遵守計画について必要な情報を提供しているかどうか確認するよう強調しています。

該当情報を受け取っていない場合、CONSOBは投資家に対し、事業者に説明を求めるか資金の返還を要求するよう勧めています。

暗号資産市場規制下におけるEUレベルの背景

CONSOBの通知は、暗号資産市場規制の適用と移行措置に関するより広範なEUの枠組みの中に位置しています。同日、欧州証券市場監督局も暗号資産市場規制の移行期間終了に関する声明を発表し、加盟国は既存事業者に対して既存ライセンスの一時的延長を認めることができるが、これらの期間には限度があり、期限が到来することを強調しました。

同機関の声明では、国内移行制度下で運営する企業が自動的に暗号資産市場規制の認可を得るわけではなく、移行期間終了前までに認可を取得できない場合は「秩序ある終了計画」が必要であると説明しています。

イタリアが申請および継続運営に対して厳格な期限を設けたことは、加盟国が暗号資産市場規制によって認められた移行制度の裁量権をどのように行使するかを示しています。イタリアの移行期間には明確な終点が定められており、市場で事業を継続するには暗号資産市場規制の認可が必要となります。