トム・リー氏、ビットコインの採用が200倍に急増する可能性を指摘

Fundstratのトム・リー氏は、現在のビットコインおよび暗号資産の下落局面の最悪期はすでに過ぎた可能性が高いと述べています。

彼の見解では、市場は今、徐々にではあるが意味のある回復に向けてポジションを取っている状態です。

市場転換の兆し

リー氏は、10月以降、投資家の多くが数ヶ月にわたる継続的な下落に疲弊し、センチメントが悪化していると述べました。

しかし、この雰囲気の変化にもかかわらず、彼は売り圧力が間もなく枯渇しつつあると考えています。リー氏は、水面下で基礎的なファンダメンタルズが強化され続けている点を指摘し、こうした状況はしばしば反転に先行することを強調しました。

悲観がピークに達する中、リー氏は新たなチャンスを見出しています。彼は、暗号資産の長期的な成長軌道は依然として健在であると強調しました。同時に、サイクルの中で最も建設的な局面が近づいている可能性があると示唆しました。

ビットコインの普及は200倍に拡大する可能性

一方、リー氏はビットコインの普及と世界的な貯蓄行動との間に大きな乖離があることを指摘しました。彼によると、1万ドル以上のBTCを保有するビットコインウォレットはわずか440万件であり、世界中で1万ドル以上の退職口座を保有している約9億人には遠く及びません。

この違いは、市場がまだ黎明期であることを示しているとリー氏は主張します。世界の貯蓄者のほんの一部でもビットコインに資産を振り向ければ、普及は最大200倍にまで拡大する可能性があり、現在の下落局面が安定すれば大きな成長余地が残されていると述べました。

4年周期はもはや信頼できる指標ではない

リー氏はまた、ビットコインのよく知られた4年周期が今も当てはまるかどうかについて疑問を呈しました。彼は、最近の価格変動がこれまでのパターンから大きく逸脱しており、半減期サイクルとは異なる状況が生じていると述べました。

「暗号資産は10月初旬までに36%上昇し、その後急速に反転した」とリー氏は述べ、このダイナミクスは従来のサイクルと一致しないと付け加えました。

リー氏によれば、この下落は半減期によるものではなく、レバレッジ解消が原因です。彼はこの環境をFTX破綻後の時期に例え、最新の下落局面は予測困難なタイミングイベントではなく、構造的な調整によって形作られたと指摘しました。この変化は、市場がすでに多くの下方圧力を吸収したという考えをさらに裏付けるものだと述べました。

さらに、リー氏は長期的なリターンにも言及しました。例えば、米国株式や金などの伝統的な市場は過去10年間で堅調なリターンを上げましたが、ビットコインやイーサリアムははるかに高い収益性を示しました。

リー氏にとって、この歴史は暗号資産が忍耐に報い、ストレスの多い時期の後には急回復することが多いことを示しており、現状の底値が信頼できると考えるもう一つの理由だとしています。

トークン化が2026年に勢いを牽引する見通し

今後について、リー氏はトークン化が2026年のデジタル資産の主要なテーマになると予想しています。彼は、大手金融機関が幅広い資産をブロックチェーン基盤へ移行する準備を進めていると述べました。不動産がそのシフトの一部となれば、ほぼ1京ドル（クアドリリオン）の金融商品がオンチェーン化される可能性があると指摘しました。

この機関投資家による動きは、ブロックチェーンの効率性が広く認識され始めていることの表れだと説明しました。特にステーブルコインは、トークン化資産が強い需要を生み出せることを示しました。

また、ブラックロックのビットコインETFがすでに同社の最高収益を誇る手数料商品となっていることを挙げ、従来型金融機関の関与が一段と深まっていることを示唆しました。