売られ過ぎ Oversold と買われ過ぎ – トレーダーが知っておくべきツール

あなたが資産価格が次第に下落し、「もう安い」と感じてもさらに下がる場合や、価格が絶えず上昇し「もう膨らんでいるはず」と思ってもなお上昇し続ける場合、それはあなたがOversold(売られ過ぎ)とOverbought(買われ過ぎ)の状態を理解し、誤った取引判断を避けるための重要なタイミングです。

OversoldとOverboughtとは何か、なぜ重要か

Oversold (売られ過ぎ) 状態は、資産が適正価格を超えて過剰に売られ、価格が合理的範囲を下回ることを指します。これにより、市場には「買い手」が不足し、売り圧力がなくなると価格は反発しやすくなります。この状態は、良い「買い」タイミングの兆候となることが多いです。

Overbought (買われ過ぎ) 状態は、価格が合理的範囲を超えて過剰に上昇し、買い手が過剰になっている状態です。価格が実体以上に高くなりすぎているため、買い圧力が弱まり、売りに転じやすくなります。これもまた、売りのサインとして重要です。

これらの状態は即座に変化するわけではなく、市場の文脈や時間軸、全体のトレンドによって異なります。ただし、「市場の方向性が変わる可能性」を示す警告として役立ちます。

Oversold/Overboughtを識別するインジケーター

RSI (Relative Strength Index) – 比較的シンプルな指標

RSIは、価格の上昇と下降の比率を示し、次の式で計算されます。

RSI = 100 - (100 / (1 + RS))

RS = 14日間の上昇平均 / 14日間の下降平均

RSIは0から100の範囲で変動し、次のように解釈されます:

  • RSI > 70 = Overbought(買われ過ぎ) — 買い圧力が強く、利益確定のタイミングかもしれません
  • RSI < 30 = Oversold(売られ過ぎ) — 売り圧力が過剰で、買いのチャンスかもしれません

注意点: 強い上昇トレンドではRSIが70を超え続けることもあるため、資産の特性に応じて閾値を調整する必要があります。

( ストキャスティクス・オシレーター )もOversold/Overboughtを測るもう一つの指標です。

ストキャスは、過去14日間の最高値と最低値の範囲内での終値の位置を示します。

%K = [(終値 – 14日間の最低値) / ###14日間の最高値 – 14日間の最低値(] × 100

%D = %Kの3日間の移動平均

閾値:

  • %K > 80 = Overbought(買われ過ぎ)
  • %K < 20 = Oversold(売られ過ぎ)

ストキャスはRSIよりも早くシグナルを出すことがありますが、あくまで補助ツールです。

実際の取引におけるOversold/Overboughtの活用法

) 1. 平均反転(Mean Reversion) — 高値で売り、安値で買う

平均反転は、「OversoldまたはOverboughtは一時的な状態に過ぎず、価格は平均値(MA)に戻る傾向がある」という考えに基づきます。

平均反転取引の手順:

1### 大きなトレンドを示すMA200を利用 — 価格がMA200を上回れば上昇トレンド、下回れば下降トレンド 2( RSIのOverboughtを75、Oversoldを35に設定し、標準値より少し広めにして誤シグナルを避ける 3) RSIが上昇トレンド中のOversoldに入ったら→買いを検討 4) RSIが下降トレンド中のOverboughtに入ったら→売りを検討 5) 価格がMA25に戻ったらポジションを閉じる

例:USDJPY 2Hチャート

  • 価格がMA200の上で推移(上昇トレンド弱め)
  • RSIが35を割り、Oversoldゾーンに入る→買いシグナル
  • 価格がMA25に戻ったら決済

( 2. ダイバージェンス(Divergence) — トレンド転換の兆しを捉える

ダイバージェンスは、「価格とRSIが逆の動きを示す」状態です。例:

  • 価格が新たな安値(Lower Low)をつくる一方、RSIがそれを更新しない(Higher Low)→強気ダイバージェンス(上昇の兆し)
  • 逆に、価格が新たな高値をつくるがRSIが追随しない→弱気ダイバージェンス(下落の兆し)

ダイバージェンスはOversold/Overboughtと併用するとより信頼性が高まります。

取引手順:

  1. 明確なトレンドがある市場を選ぶ(上昇または下降)
  2. RSIと価格の動きに乖離が見られ、OversoldまたはOverboughtの状態を確認
  3. 価格が重要なレベル(例:MA5)をブレイクしたら確定シグナル
  4. ポジションを取る

例:WTI 2Hチャート

  • 価格が新たな安値をつくる(下げ続く)
  • RSIはOversoldに入るも、新たな安値をつくらずHigher Lowを形成→強気ダイバージェンス
  • 価格がMA25をブレイクしたら買いエントリー
  • 損切りは直前の安値付近

注意:Oversoldは必ずしも「買い」サインではない

  • 強い下降トレンドでは、価格はOversold状態が長引き、さらに下落し続けることもあります。
  • 強い上昇トレンドでは、価格はOverbought状態が長く続くこともあります。
  • 常に確定シグナルを待つことが重要です(例:MA、ダイバージェンス、パターンなど)。

まとめ

OversoldOverboughtは、市場が過剰に売られ過ぎ、買われ過ぎている可能性を示す指標です。ただし、これだけでは市場の方向性はわかりません。次の要素と併用して判断します:

  • 全体のトレンド (Trend)
  • 移動平均線 (MA)
  • ダイバージェンス
  • パターン

これらを組み合わせて使うことで、Oversold/Overboughtは重要なツールとなり、ただ売り買いを急ぐだけのものではなくなります。

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