今週のFRB（米連邦準備制度）の会議、金利ばかりに目を奪われないで。本当の見どころはバランスシート――あの6.5兆ドルの数字こそ、暗号資産市場の生命線なんだ。

まずはいくつかの重要データを見てみよう。FRBのバランスシートは今、まだ6.6兆ドル残っていて、最高時の9兆ドルから一気に2.4兆ドルも減らしてきた。聞こえはすごいけれど、問題はここから――オーバーナイトの資金市場ではすでに「水が足りない」と悲鳴が上がっていて、市場の流動性が明らかに逼迫している。さらに深刻なのは、6.5兆ドル相当の国債がまもなく償還を迎え処理が必要になること。この一手を誤れば、流動性が一気に崖から落ちるリスクもある。

ビットコインなどの暗号資産は、結局のところ流動性頼み。資金が潤沢なら上がるし、枯れれば下がる――シンプルで分かりやすい。

じゃあ個人投資家はどうすべきか？値動きをあれこれ予想するより、ひとつのシグナルだけ見ていればいい――それが流動性の転換点だ。もしFRBがプレッシャーに耐えられず再び資金を供給し始めたら、暗号資産市場は高確率で上昇局面に入る。逆に、このまま強引にバランスシート縮小を続けるなら、短期的にはジェットコースターの覚悟が必要だ。

市場というものは、他人が恐れている時こそ冷静に、他人が熱狂している時こそ冷徹に。政策で動く相場では、感覚よりも資金の動きを追う方がずっと確実。流動性という主軸を押さえておけば、少なくとも肝心な時に大きな損をすることはない。