$ASTER 正直に言うと、この「ボス」が登場するたびに、心の中でクエスチョンマークが浮かぶんだ。

能力を疑っているわけじゃない。ただ、あの感じ——わかるだろう、まるでプロの俳優をCEO役に雇ったような印象。セリフも上手く覚えているし、笑うべき時は笑い、真剣な時は表情を固くする。けれど、何かが足りない気がする。

何が足りないのか？
それは、本当に生殺与奪の権を握っている人間だけが持つ、あの目の奥の何かだ。

この業界でもう何年もやってきて、見てきたプロジェクトは1000近くにもなる。その中には、創業者を一目見ただけで「この人は本気でやってるな。お金も意思決定権もこの人の手の中だ」と分かるタイプがいる。

でも、そうじゃない場合もある。
表に立つのは顔役で、裏にはまったく別の世界が広がっている。

$ASTER のこの布陣、どう見ても後者に見える。
チームが誰かに物語を語らせたり、発表会を開いたり、インタビューを受けさせたりするために、見た目も悪くなく、話もそこそこできる人を前に出しているだけ。肝心の操縦士は？　おそらく裏でお金を数えているか、次の一手を仕込んでいるに違いない。

これ自体は悪いことじゃない。多くのプロジェクトがこの手法を取っている。
問題は——
もし何か起きたら？
平穏な時には誰でも「顔役」になれる。でも、コミュニティが炎上したり、規制当局がやってきたり、あるいはコイン価格が暴落して誰かが「感情をなだめる」必要が出てきた時……
誰が矢面に立たされると思う？

そう、この「ボス」だ。

本当に意思決定の場に座っている人たちは、決して自分をスポットライトの下に晒さない。彼らは見えない場所にいるのが好きで、すべてをコントロールしつつ、決して表に出てこない。

だから、こういう構図を見るたびに、僕は少し警戒するんだ。
プロジェクトに必ず問題があると言うわけじゃない。ただ……この「雰囲気の不一致」には、たいていもっと深い物語が隠れている。

古参の業界人ならみんな知ってる：表に出ているのは、決して最終決定権を持つ人物じゃない。$ASTER