仮想通貨業界で丸10年やってきて、かつては上昇を見れば飛びつき、下落を見ればパニックになるような初心者から、今では口座に600万円が寝ているベテラントレーダーになった。この道のりで踏んできた地雷は、血と涙の歴史書が書けるほどだ。

最大の教訓は何か？それは、一見してとても高度で複雑に見える手法ほど、たいてい罠であるということ。本当に自分を救ってくれたのは、むしろ究極にシンプルなルールだった。

昔の自分は典型的な「カモのテンプレ」だった――相場がちょっと動くだけで心臓がバクバク、無意識に買いボタンを押していた。毎回「黄金の底値を掴んだ！」と思っていたが、そのたびに見事に高値掴み。口座の数字が日々縮んでいく感覚、経験者ならわかるはず。

だが人間はこうして、痛い目を見て初めて学ぶ。今の自分のやり方は、正直言って笑われるかもしれない。なぜなら、あまりにも「バカ正直」だからだ。

**鉄則その1：人気銘柄しか手を出さない。無名コインは一切見ない**

多くの人は「まだ発見されていないお宝」を掘り当てたいと思いがちだ。自分も以前はそうだった。しかし結果は？半年間も価格が動かず、資金が無駄にロックされ、本当のチャンスをいくつも逃した。

今のコイン選びの基準は違う。値上がりランキングの上位だけを見る。資金が流れている場所、話題になっている場所、それだけに注目する。ただし、これは高値追いをしろという意味ではない！

重要なのは――短期的なごちゃごちゃした値動きを一切無視すること。日足？時間足？そんなのはノイズでしかない。自分が見るのはたった一つ、「月足レベルのMACDゴールデンクロス」だけ。

月足でゴールデンクロスが出たら、大きなトレンドが転換した証拠。その時に思い切ってエントリーすれば、まず間違いは少ない。そのサインがない限り、どれだけ上がっても絶対に手を出さない。

**鉄則その2：「大幅下落後の反発」には絶対手を出さない**

以前はこの理屈も信じていた。あるコインが70%、80%も下落したら「もう下がりきっただろう、そろそろ反発するはず」と思っていた。そしてどうなったか？10回中9回はさらに下がり続け、自分の人生を疑うレベルだった。

後になって気づいたのは、トレンドというものは一度できるとそう簡単には変わらないということ。短期の上下は幻想であり、長期のトレンドに乗ることが本当の「印刷機」になる。

下落中に底を狙って買うのは、一見賢そうだが、実はトレンドに逆らっているだけ。市場はあなたが「もう十分下がった」と思っても転換しない。本当のサインが出るまで、じっと待つ価値がある。

今は取引頻度が驚くほど少ない。2〜3ヶ月に一度しか動かないが、その一回一回が確実。夜中にチャートを張り付いて見る必要もなく、毎日データを分析する必要もない。普段通り生活している間に、勝手にお金が増えていく。

結局のところ、仮想通貨で稼ぐコツはテクニックの派手さではなく、基本的なルールを守れるかどうかだ。シンプルなことを繰り返し、正しいことを粘り強く続ける。時間が必ず結果を出してくれる。